年齢と生き方について
2021.02.10
私はいま41歳。世間では中年と言われる年齢で、もうすぐ小学生になる子供がいる。
翻訳会社で働いていて、仕事が終わると子供を幼稚園の預かり保育に迎えに行って、ご飯を作ったり、子供に絵本を読んだり、休日は子供と公園に行ったり図書館に行ったりする。
40歳の時、スケボーをはじめた。
特に理由はない。ずっとやってみたいと思っていた。
そんな時、子供と一緒に妹の住むデンマークへ行く飛行機の中で「スケート・キッチン」という映画をたまたま見た。ニューヨークに住むティーンエイジャーの女の子たちが、スケボーチームを組んで、街中やスケートパークを走り回る。すごくかっこよくて、日本に帰ったらこれ絶対やろう、と思った。
日本に帰ってからすぐにムラサキスポーツに行って、スケボーを買った。店員さんが「僕も下手ですけど、スケボーやってます。楽しいんで、がんばってください」と言ってくれた。
20歳前後の頃に新聞で読んだ記事を今も覚えている。
その記事では、46歳で初めて広報の仕事に就いたという女性のことが書かれていた。記事の中で女性は「周りの20代や30代の同僚に教えてもらいながら仕事を覚えたの。とても楽しいわ!」というようなことを言っていたように記憶している。そして、生き生きとした笑顔を浮かべる女性の写真が載っていた。
まだ20歳の私には「46歳でこれまでやったことのない仕事をする」ということが衝撃だった。新聞の記事になるくらいだから、世間の認識でも「46歳になってやったことのない仕事にチャレンジするなんて前例がない」という書き方だったように思う。
20年経った今でもその記事のことを覚えているのは、私がその時に「私もこんな風に生きたい」と強烈に思ったからだ。
10代や20代で学んだことをそのあとの人生でずっと続ける、という生き方も素敵だと思う。でも、年齢にとらわれず、やってみたいと思ったときに、やりたいことに挑戦して生きていく、そんな生き方もすごく楽しい。「こういう風に生きるのが普通」と誰かが決めた枠組みで生きるのではなく、自分がその時感じたことややりたいと思ったことに心のまま、正直に生きてみたい。これからもずっと。
40歳でスケートボードを始めた。
20歳のあの時に、新聞の記事を見て強く憧れた生き方に、ちょっとは近づけているかもしれないと思う。